2003.8.2(土) 晴れ
テット・ルース小屋まで下見を兼ねた高所トレーニング。

ケイトが体調不良ということで、今日はいたっちと2人でテット・ルース小屋(Tête Rousse)まで下見を兼ねた高所トレーニング。テット・ルース小屋は、実際モンブラン(Mont Blanc)に登るときに一泊する小屋である(行動予定表参照)。

いたっちも私もズボラな性格のため、前日からバスの時間を調べようともしなかった。いざ準備をして行こうとして時刻表を見ると、バスが全然ない(自分はこのときはじめてバスの時刻表の見方を知った)。おまけに登山準備も朝食後にやるという始末。電車ならしばらくしてからありそうなのでとりあえず鉄道のペルラン駅(Pélerins)に行く。

ペルラン駅に到着するが、やはり電車は約1時間後。時間つぶしのため、2人でクライミング・ゲレンデ、ガイヤンの岩場(les Gaillands)を見学に行く。ガイヤンの岩場はペルラン駅のまん前にある岩場。バス停にも「ガイヤンの岩場」という停留所がある。


初心者向けのガイヤンの岩場

ここは初心者用の岩場ともあって、子供が多い。強引に親に登らされている子もいて、見ててちょっとかわいそうだった。

時間が来たので駅へ。ペルラン駅からロープウェイがあるレ・ズーシュ駅(les Houches)まで移動。

レ・ズーシュ駅からロープウェイの駅(les Houches Bellevue)まではけっこう歩いた。詳しくは覚えてないが20分ぐらい? 本番は絶対にバスで行こうと、いたっちと誓い合う。 なぜならバスの停留所はロープウェイの駅に隣接しているのだから。

レ・ズーシュはシャモニ(Chamonix)に比べると小さい街である。しかし、キャンプ場・スーパー・郵便局、もちろん観光案内所もちゃんとそろっている。ジュネーブ(Genève)から直通バスも通っている(シャモニ行きに乗り、途中下車)。日本人はたいていモンブランに行くときはシャモニに泊まり、朝一のバスでシャモニからレ・ズーシュに移動するが、なぜ前日レ・ズーシュに泊まらないのだろうか。いつかまたモンブランに登る機会があったら絶対に前夜はここに泊まろう。

本番の日のためにロープウェイの時刻を調べたり、バスの時刻も調べる。その後、ロープウェイでラ・シャレット(la Chalette)まであがると、今度は接続の登山電車がない。ここから登山電車でニ・デーグル(Nid d'Aigle)まで上がらなければならないのに。


ラ・シャレットから登山電車に乗り換える

しばらくたって登山電車到着。それに乗り込み、ニ・デーグルへ。ここからひたすらテット・ルース小屋まで岩のごろごろしている登山道を登って行くのだ。


このような雪のない登山道を登って行く

道は岩がゴロゴロしているので、あまり自分好みではなかったが、景色はとっても好み。壮大な景色が広がっていた。前を見れば雪山、後ろを見れば岩山と言ったかんじ。いたっちと写真をばしばしとりまくりながら登る。ケイトは写真に興味がないので、ケイトと一緒だとつい写真を撮り損なってしまう。その点、いたっちは、この旅行に一眼レフを持って来るという写真好きなので、気兼ねなく撮れる。自分は、前の海外旅行のとき、デジカメで1600枚以上もの写真を撮るというかなりのカメラ小僧。

まわりは雪山や、
岩山の壮大な景色。

途中ヤギがいたりと、のどかな雰囲気で上がって行く。高所トレなのでゆっくり登り、しかも荷物もそれほど重くないのでラクラクだ。


ヤギ。人が近くによっても逃げない。

しばらくすると、銀色のテット・ルース小屋が見えた。その手前には雪渓が。この雪渓までは登山道にはまったく雪はなかった。せっかく雪の上を歩きたかったのに。雪渓を越える際、ただのスニーカーを履いていたいたっちは通過にちょっと苦労していた。見てる方も非常に恐かった。

テット・ルース小屋手前で休憩。目の前にモンブラン最大の難所グラン・クロワール(Grand Couloir)が見える。雪はまったくなく、落石がたびたび起こっている様子。かなりビビる。

テット・ルース小屋手前の雪渓。
クレバスの横を通って行く。
滑ったらクレバスにぼっちゃん。
モンブラン最大の難所グラン・クロワール。

休憩を早々に切り上げて下山開始。早く下山しないと、ユースの19:30の夕食の時間に間に合わないから。きっとケイトが待ちかねていることだろう。ニ・デーグルでは、また電車の接続が悪く、待ち。


待ち時間を利用して休憩するいたっち。

ラ・シャレット、レ・ズーシュでロープウェイやバスを乗継ぎ、19:20頃ユースに到着。ケイトは夕食を1人で食べなきゃいけないかと気が気ではなかったらしい。でも既にマー坊を夕食に誘っていたらしいけど(マー坊は日本から予約していってないので、夕食はつけていない)。

山から帰った汗臭くて汚い体のまま夕食には行きたくないので、大ダッシュでシャワーを浴び始める。すると、自分の部屋に戻ったはずのいたっちが、我々女2人の部屋にやってきた。なんといたっちの荷物が部屋から消えてしまったらしい!!! 自分はシャワー中で泡だらけなのでどうすることもできず、ケイトといたっちは通訳のマー坊を探し出して、ユースの受付へ。

大急ぎでシャワーを済ませ、受付に行くと、マー坊がすべて処理してくれていた。なんと自分がいたっちのチェックアウト日を間違えていたのだ。じつは今朝がチェックアウトだったらしい。なので、チェックアウト日を過ぎてもいたっちの荷物が部屋にあったので、ユースの人がいたっちの荷物を片付けてしまったのだ。ごめん、いたっち!!!

なぜ間違えたかと言うと、フランスの日付の書き方は日本のように、2003/08/02のように年・月・日の順でなく、02/08/03のように日・月・年の順で書くからである。02/08/03を見て、8/3チェックアウトと勘違いしていたのである。(ああ、すっかり頭は日本人になっちゃってるね。子供のときはそんなことなかったのに)

一方、女2人の部屋は、7/31〜8/9までとってあるのでこんなトラブルはなかったのだ。モンブランに登る留守の間も予約してあるのだが、これは荷物置き場としてキープしておくため。普通のホテル泊まりだったら高いのでこんなことはやらないが、これも安いユースだからできることなのである。

いたっち荷物奪還後、食堂へ夕食を食べに行く。この夜は、メル友のフランス・コルマール在住のマサさんが訪ねて来てくれたので、夕食を一緒に食べる。マサさんはとても愉快な人。初めて会ったとは思えないほどのハイテンションのノリ。毎年シャモニに来て、日本人パートナーを見つけて登りに行くという。マサさんとは、シャモニに来てからは、スネル・スポーツにある連絡帳で連絡を取り合った。

ケイトはこの日、久しぶりに何もせずにだらだらとしたレスト日を過ごせて満足だったようだ。しかも1人でカフェにも入ったと言う。初めての海外なのに、ケイトったらすごい積極的だなぁ。

次の日はレストということもあって朝寝坊の予定。夜、皆で部屋に集まってフランス・ワインを飲む。

ニ・デーグル〜テット・ルース小屋往復のコースタイム
10:00 ユース出発(ガイヤンの岩場見学)
10:50 ペルラン駅発(電車)
11:00 レ・ズーシュ駅着
11:20 レ・ズーシュ・ベルビュー(ロープウェイ駅)着
11:35 ロープウェイ乗車
11:40 ラ・シャレット着
12:35 ラ・シャレット発(登山電車)
12:45 ニ・デーグル着
13:45-14:00 2800m地点休憩
15:05 テット・ルース小屋着
15:20 下山開始
16:30 ニ・デーグル着
17:50 ニ・デーグル発(登山電車)
18:05 ラ・シャレット着
18:10 ロープウェイ発
18:15 レ・ズーシュ着
18:50 レ・ズーシュ発(バス)
19:12 ペルラン着
19:20 ユース着

体調:

体重激減?! 中年太りで出っ張ってたおなかが平らに。昼間、行動食のみしか食べないのと、夜、咳のせいで熟睡できないせいだろう。微熱っぽいので夜バファリン服用。

 
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